法事・法要の心得:法事・法要の準備と心得をご案内いたします

法事・法要のお供え物とは?定番のお供え物と基本マナーをご紹介

お供え物は、法事や法要において故人とその家族へお渡しするものです。「法事にお供え物を持っていきたいが、何が良いのかよくわからない」「どんな物品を持っていけばいいのかわからない」と迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、お供え物の定番と避けるべき品物、基本的なマナーをご紹介します。

法事法要のお供えのイメージ

目次

法事・法要のお供え物の定番

お供え物は香典返しと同じく、食べたり使ったりしたらなくなる「消え物」が良いとされます。消え物には、「不幸が残らないように」、「不祝儀を残さないように」という意味があるとされているためです。以下で、お供え物の定番の一例を紹介します。

お菓子

特に人気のお供え物がお菓子です。洋菓子・和菓子の決まりはなく、故人が好んでいたお菓子を用意するケースが多くみられます。お菓子を選ぶ際は、個別包装になっているものを選ぶと良いでしょう。これは法要後、参加された方へ「お下がり」としてお供え物をお配りするためです。親族や親戚が多く参列することが予想されるのであれば、小分けしやすく持ち帰りやすいものを選ぶのが得策です。

具体的にはクッキーやおせんべい、個別包装されたバウムクーヘンなどがおすすめです。老若男女問わず好まれ、好き嫌いが分かれづらいものを選びましょう。迷ったら、仏事用に販売されているお菓子のアソートを選ぶのも良いでしょう。

果物

果物をお供えするケースも一般的です。バラ売りにされているフルーツを持参するのではなく、カゴに盛られているお供え物用の果物を買うことが多く見受けられます。お供え物として、好ましいとされている果物はリンゴやメロン、梨など丸い果物です。これは仏教において、魂の形も同様に丸いとされているためです。また果物の個数は、奇数で用意しましょう。偶数は割り切れる数であり、「故人との縁が切れてしまうこと」を連想させるためです。

なお、地域によっては果物の種類が異なることもあります。たとえば沖縄では、従来の丸い果物に加えてバナナやサトウキビをお供えするのが定番です。特にバナナは父性を象徴する果物とされ、母方だけでなく父方の祖先も敬う気持ちが込められているとされます。

お花

お花を持参するのも定番です。特に良く選ばれているのが白い菊ですが、ユリやトルコキキョウなども人気です。故人が好きだったお花や、故人が育てていた同種のお花をお供えするのも良いでしょう。最近では、お手入れの必要がない造花やプリザーブドフラワーも人気です。

お酒

宗派や地域の習慣により異なりますが、故人が好きだったお酒を備えるケースもあります。ただし、お酒は法事の席では賛否両論あります。遺族の方がお酒を飲まないのであれば、後始末に悩まれてしまうでしょう。万が一失礼がないように、施主や遺族の方に確認しておくことをおすすめします。

線香・ロウソク

線香やロウソクから出る煙は、故人を浄土まで導く道標になるといわれています。ただし、香りの強すぎる線香は避けるようにしましょう。

法事・法要で避けたほうが良いお供え物

法事・法要において、タブーとなるお供え物を解説します。心からの弔意を示すためにも、基本的なマナーをしっかりと把握しておくことが大切です。

香りの強い花・線香

香りの強い花や線香は、人によって好き嫌いが分かれるため避けるようにします。ただし、故人が好きだった花や香りであれば、この限りではありません。施主に確認した上で用意すると良いでしょう。

トゲのある花

バラやアザミなどトゲのある花は、お手入れに手間がかかるためお供え物としてはふさわしくありません。「故人が好きだったから」、「生前の故人や遺族の希望で」などの理由があってバラをお供えする場合は、花屋さんでトゲの処理をしてもらうことをおすすめします。また、花束よりもアレンジメントされた花のほうが好ましいでしょう。新しい花瓶や花器を用意する必要がある花束よりそのまま飾れるアレンジメントのほうが、手間が要らないからです。

お肉・お魚

仏教では、生き物の殺生を禁じています。お肉やお魚は殺生を連想させるため、お供え物としては不適切です。缶詰などの加工品であってもマナー違反となるため注意しましょう。

重たい果物

重たく分けにくい果物は、お下がりとなったときに、用意することが難しくなります。果物を選ぶ際は、できるだけ軽く持ち運びしやすいもの、参列の方で分けやすいものを選びましょう。また、果汁が多く傷みやすい果物も避けるのが良いです。旬の果物を選ぶことも大切ですが、処理のしやすさを意識することも重要です。

小分けしにくいお菓子や傷みやすいお菓子

果物と同じく、小分けしにくかったり傷みやすかったりするお菓子は避けましょう。特に、生クリームやバターを多く使った生菓子は日持ちしないためおすすめしません。分け合いやすく、ある程度日持ちするお菓子を選んで納めます。

その他

お供え物を選ぶ際は、個数にも気をつける必要があります。お供え物の個数は奇数であるのが望ましいとされていますが、一般的に不吉な数字とされる4や9を除いた数を目安にしましょう。5個、7個、11個程度を基準に用意するのが良いでしょう。

お供え物は「品物」「現金」の2パターン

お供え物と聞くと食品やお花などの物品が浮かびますが、現金をお供えすることもあります。この場合の現金は「供物料」とされ、不祝儀袋か白い封筒に包んでお供えします。表書きは「御供物料」、または宗教にあった表書きを書きます。仏教は「御佛前」(ただし、浄土真宗以外の宗派で六七日法要以前の場合は「御霊前」)、神式は「御玉串料」、キリスト教ではプロテスタントは「御花料」と書き、カトリックは「御ミサ料」としましょう。供物料の相場は5,000~1万円ほどで、法事にのみ参加するのであれば5,000円、会食に出席する場合は1万円ほど用意するのが適当です。ただし、地域の習慣によっては現金がマナー違反となることもあるため要注意です。気になる場合は、念のため施主に確認しておくことをおすすめします。

お供え物ののし紙と渡し方

お供え物を用意したら、お供え物の箱にはのし紙をかけます。四十九日までは白黒の水引、もしくは双銀の水引を使うのが基本です。水引の種類は、「結び切り」と呼ばれるものを使うのが一般的。結び切りとは水引を固く結んだもので、結婚や弔事、全快祝いなど「二度目はあってほしくないこと」に対して用いられます。これは、結び切りが一度結ぶとほどけない結び方であることに由来します。

のし紙をかけたら、「御供物」と表書きを記載します。渡す際は仏壇へ直接お供えするのではなく、遺族の方へ渡します。このとき、のし紙がかかったお供え物を入れた袋ごと渡すのではなく、お供え物を取り出して渡すことを忘れずに。

お供え物を送る際のマナー

法事や法要へ直接出向けない場合は、宅配便や郵送などで送っても問題ありません。ただし、その際も遺族の方への配慮を忘れずに行いましょう。電話やメールなどで、お供え物を送ることや出席が難しいことをあらかじめ伝えておくほうが良いでしょう。配達日に配慮して、法事の2~3日前に届くよう手配するのが親切になります。法事・法要の最中にお供え物が届くと、遺族の方がさらに忙しくなってしまうため避けるのが無難です。またお供え物と一緒に手紙を添えて、遺族の方への気遣いも忘れないようにしましょう。

お供え物として定番の花と、その花言葉

花は、お供え物のなかでも定番のアイテム。特に、菊やユリなどの花は故人を悼むのにふさわしい花といわれています。ここでは、お供え物として人気の花の種類と、その花言葉を紹介します。花言葉に、故人を悼むメッセージを込めてみてはいかがでしょうか。

菊は、仏事のお供え物として定番の花。日本人にとってなじみ深い花でもあります。菊の花が仏花として定着しているのは、他の花と比べると長持ちしやすいうえに「邪気を払う」と信じられてきた背景があるためです。仏花として使われる際は、白や黄色などの色を使うのが一般的。最近では品種改良で生まれた「スプレーマム」が普及し、ブーケやアレンジメントに彩りを添える花としても重宝しています。

キクの花言葉は、「高潔」「高貴」「高尚」などです。故人に対する尊敬の気持ちを込めるのに最適だといえるでしょう。

カーネーション

カーネーションは母の日の花として定番ですが、仏花としても用いられます。他の花との相性が良く、アレンジメント全体を引き締める花として重宝します。そんなカーネーションの花言葉は、赤色は「母への愛」、白いカーネーションは「尊敬」「深い愛情」「私の愛情は生きている」などです。特に後者の白いカーネーションは、尊敬していた家族を悼むのにふさわしい花です。

ユリ

ユリは、仏花としても結婚式の花としても活躍する花。そんなユリには「無垢」「威厳」「純潔」という花言葉があり、海外でも無垢さや高潔さのシンボルとされてきました。法事・法要のお供え物として贈る際は、できるだけ香りが控えめな品種のユリを選びましょう。香りが気になる場合は、花屋で香りの元となる雄しべや雌しべの処理をしてもらうのがおすすめです。

また、ユリは白が定番ですが、他の花と同じく色によって花言葉が微妙に異なります。黄色いユリは「陽気」、オレンジのユリは「華麗」などの花言葉がつけられていますが、これらにはそれぞれ「不安」「軽率」という花言葉もあります。そのため、白以外の色のユリは、仏花としてお供えするにはふさわしくないでしょう。

カラー

「清純」「華麗」という花言葉を持つカラーは、慶事や弔事問わず幅広い冠婚葬祭の場で活躍する花です。特徴的なのはクルリと巻いた花びらで、カーネーションやスイートピーなどふんわりとしたシルエットの花と合わせるのがおすすめ。カラーには白のほか、黄色やピンク、紫などの色があります。お供え物として選ぶのであれば、しっとりと落ち着いた印象の白いカラーを選ぶのがおすすめです。

バラ

仏花としてのイメージがあまりないバラですが、「故人が好きだったから」という理由でバラをお供えするケースは少なくありません。ただし、遺族への気遣いとしてトゲや香りの処理をすることは必要です。また、バラも色によって花言葉が変わります。赤は「熱烈な愛情」や「美」、白は「純潔」「清純」「深い敬愛」などがあげられます。白いバラは清楚で華やかになりすぎず、花言葉も「深い敬愛」となっているため弔事のお供え物にふさわしいといえます。故人や遺族の意思をしっかり汲んだ上でお供えしましょう。

スイートピー

アレンジメントの花として人気のスイートピー。色は白色をはじめ、ピンクや紫色がポピュラーです。そんなスイートピーの花言葉は、「優しい思い出」や「門出」、「別離」。故人との思い出を偲びつつ、しっかりお見送りしたいというときに適した花です。

別れを想起させる花言葉であることから、卒業式の贈り物としても重宝されています。また、スイートピーは花が咲き終わると有毒のマメをつけるため要注意。お供え物として持参する場合は、遺族へ一言かけるのがマナーです。

スターチス

ピンクや紫、黄色などのカラーバリエーションがあるスターチス。スターチスには「変わらない心」「変わらない誓い」という花言葉があり、大切な故人を偲ぶのにぴったりな花です。故人との思い出を大切にしたい方には、感謝の気持ちをいつまでも持ち続けたいという意思を示せるでしょう。スターチスは小ぶりで控えめな花なので、キクやユリ、カーネーションなどの仏花とあわせると上品に仕上がります。

トルコキキョウ

トルコキキョウは白や青紫、ピンクや黄色などの花を咲かせます。華やかながらも上品な外見であるため、慶事の花としてだけでなく仏花としても人気です。トルコキキョウの花言葉は、白色は「思いやり」ピンクは「優美」、紫色は「希望」となっています。また、白色のトルコキキョウには「良き語らい」という花言葉も。大切な家族はもちろん、尊敬する友人へのお供え物にもふさわしい花です。

ストック

ストックといえば、ヒラヒラとした花びらが特徴的な花。キクやカーネーションと同じく、仏花としてもよく用いられる花です。ストックには「愛情の絆」という花言葉があるため、故人との変わらない絆や信頼性を感じられます。

マナーを守りつつ、心から悼む気持ちを忘れずに

故人へこれまでの感謝や哀悼の気持ちを示すお供え物。法事や法要によってはお供え物が必要になるわけではありませんが、持参する場合は基本的なマナーを守ることが大切です。


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